
貴社で使用されるキャラクターは、著作権で保護され得るものですが、
きちんと職務著作として貴社が著作者になるような仕組みになっているでしょうか?
貴社の商品・サービスを広告宣伝(PR)するために、キャラクター(例えば、「キティーちゃん」「くまもん」「せんとくん」「ミャクミャク」など)を作成していろいろな広告宣伝の媒体で使用しようと考えていませんか?

<1.社内デザイナーが業務としてキャラクターのデザインを創作する場合>
社内デザイナーが業務としてキャラクターのデザインを創作することも多いと思います。この場合には、原則としては、職務著作に当たるとして、貴社が著作者になります。
しかし、何となく業務として作成されていれば職務著作に当たるように感じますが、実はこの職務著作に当たるための条件を備えていないと、貴社ではなく社内デザイナーが著作者になり得ます。
貴社も社内デザイナーも、法律的な意味での明確な認識・理解をしていないことから、特にその社内デザイナーが退職した後に、そのキャラクターの著作物の帰属についてトラブルになる可能性があります。
また、働き方の多様化により、正社員だけでなく派遣社員などのいろいろな働き方の形態が生じています。これらの働き方の形態の違いにより、職務著作に当たるかどうかも異なってきます。
このような場合に対応するために、事前に社内デザイナーなどが作成したキャラクターのデザインについて、社内でどのように取り扱うべきかの仕組みを構築しておかれることをお勧め致します。
<2.外部デザイナーにキャラクターのデザインの作成を依頼する場合>
この場合には、原則として、職務著作に当たらず、依頼した外部デザイナーが著作者になります。
したがって、貴社がそのキャラクターを用いていろいろな広告宣伝をしようとする場合には、そのキャラクターの著作権の譲渡又は利用の許諾を受けておく必要があります。
しかし、実際には、キャラクターの作成の依頼をしてキャラクターができあがったが、外部デザイナーとの間で著作権の譲渡又は利用の許諾について契約書などの書面を交わしておらず、著作権の帰属があいまいになっているケースがよく見られます。
そのキャラクターがバズらなければ、あまり利を生まないことから外部デザイナーとトラブルになる可能性は低いのですが、バズると外部デザイナーと著作権の帰属に関してトラブルになるおそれが高くなります。
このようなトラブルが生じないように、特に、そのキャラクターが貴社にとって今後もマーケティングやブランディングにおいて利益に繋がるような位置づけとお考えであれば、外部デザイナーと著作権の譲渡又は利用の許諾について契約書などの書面にしておかれることをお勧め致します。
<3.そのキャラクターのネーミングまでは保護を受けることができません。>
また、キャラクター自体は著作権で保護を受けられますが、そのキャラクターのネーミングまでは保護を受けることができません。そのキャラクターのネーミングに関連付けて特定の商品・サービスに使用される場合には、該当する商品・サービスについて商標調査により登録可能性について調査した上で商標登録されることをお勧め致します。
第三者に既に商標登録がされている場合、又は貴社の方が使用開始は早いが第三者に商標を後から先取りされてしまった場合、その第三者との関係で商標権侵害の紛争になるおそれがあり、場合によってはそのキャラクターのネーミングの使用ができなくなり、ネーミングの変更を余儀なくされることがあり得ます。
このようにネーミングを変更することになると、広告宣伝物のすべてについて変更することになり、多くの費用・時間・労力が必要となります。
キャラクターのデザインなどでの貴社の事業での知財視点での活用についてどのようにすればよいかについて悩まれた場合には、どのようにすればよいかをアドバイスさせて頂きます。
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