アジア諸国への進出における外国商標と外国意匠の重要性について
ちきゅう

1.外国商標(海外商標)について



(1)進出先のアジア諸国(タイ、ヴェトナム(ベトナム)、インド、インドネシア、フィリピン、マレーシア、シンガポール、中国など)での会社名又は社標(ロゴマーク)、商品名についての海外商標(外国商標)に関する商標権の取得のためのアドバイスをさせて頂きます。

 貴社の商品をアジア諸国で販売される場合、日本でもよく売れている商品又はブランド名であることが、アジア諸国の購入者に買ってもらえる強みとなることが多いと考えられます。最近では、中国だけでなく、他のアジア諸国でも先取り的に第三者が進出先の国で商標権を取得されることも多くなっています。このように先取りされていると、最悪の場合、その国でのブランド名の使用ができなくなってしまいます。

 これに対しては、アジア諸国に進出を検討・計画される時点で、各国で商標調査をなされて現状を把握した上で、商標権の取得をされておかれるべきであると思われます。
少し有名になってくると、アジア諸国の第三者に知られることも多くなり、先取りされるおそれが強くなりますので、できるだけ早く商標権の取得をなされることをお勧め致します。

 その際には、アジア諸国の商標制度は国によって違いがありますので、これを踏まえて商標権の取得を行う必要があると思いますので、可能であれば日本での商標の出願段階でアジア諸国への出願を視野に入れていろいろとご検討されることが肝要であると思われます。

 弊所では、そのような検討をなされる際のアドバイスをていねいにかつ戦略的にさせて頂いております。



   
2.外国意匠(海外意匠)について

(1)進出先のアジア諸国(タイ、ヴェトナム(ベトナム)、インド、インドネシア、フィリピン、マレーシア、シンガポール、中国など)において、売れ始めると模倣品が出回る可能性が高くなります。このような場合に、模倣品の販売を止めされるための武器の一つとして有用な意匠権の取得のためのアドバイスをさせて頂きます。

 日本の企業は特許権の取得だけに目が行きがちですが、製品の見た目(デザイン)についての意匠権を取得されておかれると、見た目ですぐに判断がつきやすいことから、模倣品の販売を止めされることが容易にできる場合があると考えられます。
一般的には特許権の取得よりも費用も安価ですので、意匠権の取得も是非ともご検討下さい。




3.アジア諸国への進出では事前の情報収集が大変重要

 日本とはその法規制、社会制度及び取引慣行などが全く異なるアジア諸国(タイ、ヴェトナム(ベトナム)、インド、インドネシア、フィリピン、マレーシア、シンガポール、中国など)に進出される場合、事前の進出される国に関する情報収集が大変重要であると思われます。よくとりあえず進出してみて様子を見ると言われる方もおられますが、例えば、進出の仕方を間違えると容易に撤退ができない場合も考えられますので、十分な注意が必要です。

 費用はかかるかもしれませんが、少なくとも専門コンサルタント等からその国の情報を入手されることを強くお勧め致します。
また、アジア諸国では我々日本人は外国人であるということを十分に認識し、いろいろな交渉などに臨まれることが大変重要です。



4.国際商標登録の活用について

 よく国際商標登録ということが言われますが、原則として、商標権はアジア諸国の各国で取得する必要があります。
この場合、パリ条約の優先権に基づいて日本に出願した日から6ヶ月以内にアジア諸国へも商標出願すると、日本での出願日に基づいてそれらの国でも商標の登録要件が判断されることになり、後から商標出願されるよりも有利になります。

 また、日本での商標出願又は商標登録がなされている場合には、マドリットプロトコルという条約に基づいて、国際商標登録出願を行うことができます。この出願のことが国際商標出願と言われていると思われます。この条約に基づいては、現時点では、ヴェトナム(ベトナム)、フィリピン、シンガポール、中国、韓国の5カ国が加盟しています。この5カ国を含む場合には、各々の国に商標出願するよりも費用がかなり安価となる可能性が高いです。

 但し、この国際商標登録出願は、その出願日から5年以内に日本での登録されない又は日本での登録が取消又は無効になった場合には、国際登録自体が取り消されてしまいます。いずれに致しましても、この国際商標登録出願についてはメリット及びデメリットがありますので、商標権の取得をお考えの国がどのような国かによっていろいろと検討されることをお勧め致します。
このような検討をされる場合には、是非とも弊所にご相談下さい。